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●2014年12月号
■ 解散・総選挙闘争勝利に向けて
   社民党又市征治幹事長に聞く

   

■ 安倍政権延命狙う解散総選挙

編集部 安倍晋三首相は、7-9月期GDPの年率換算▲1.6%に象徴されるような回復の見込まれない景気動向を踏まえ、消費税の10%への再増税の1年半先送りを表明し、国民にその是非を問うと称して衆議院を解散、12月2日公示、12月14日投開票することを決定しました。
   
この安倍晋三首相による解散・総選挙の狙いについて、社民党はどのように考えられているのでしょうか。
   
又市 まったく大義のない党利党略の選挙、「アベノミクス失敗隠し選挙」です。
   
安倍首相がいま解散・総選挙をと考えた背景は、1つは消費税の再増税、集団的自衛権の行使容認、原発の再稼働、TPP交渉、くわえて閣僚の相次ぐ不祥事への国民の反対や拒否感が根強く、それが内閣支持率に跳ね返り、40%台に急速に落ち込んできました。2つ目は辺野古新基地建設をめぐって翁長さんが勝利した沖縄県知事選ですが、自民党ははじめから惨敗を予想していた。基地移設を容認した現職知事の大敗は政権与党を直撃します。この敗北の影響を早く消し去りたい。3つめは経済政策アベノミクスの失敗から景気が一向に回復しない。したがって7-9月期のGDPも2期連続でマイナスとなり、消費再増税ができる状況にない。4つめは野党の選挙準備、選挙協力が全く出来る状況にない。
   
安倍首相は、これらを総合的にみて、国民多数に異論のない「消費増税先送り」を名分にしていま総選挙を行った方が、失政を覆い隠せるし、大きく負けることがないと考えたと思いますよ。
   
では、消費増税先送りで総選挙をする大義があるかといえば、まったくない。なぜなら民自公三党で強行した消費増税法の附則一八条に「経済状況を総合的に勘案した上で、その施行の停止も含め所要の措置を講じる」という条文があるわけで、国民世論の大勢も、与野党もいま消費税を上げるべきではないで、ほぼまとまった。だからこの条文にそって、これは先送りしたいと国会に諮ればいい。
   
しかし、そうすると国会で安倍政権の政策の失敗がとことん追及されるから、それを隠蔽する、逃げるために総選挙をやる、ということです。
   
国民世論を考えたら、800億円も国費も無駄に使って、国民が求めてもいない総選挙をやる意味は全くない。
   
安倍が言っているのは、消費増税の1年半先送りであり、2017年4月からは必ず増税しますと言っている。また、円安を誘導して物価高を招き、実質賃金もマイナスにする、労働者派遣法の改悪も出してくるということで、生活と雇用破壊を進めてきた。今後とも引き続き政権を担いたいから、いまなら負けが少ないから総選挙をやるわけで、その狙いをもっと明らかにする必要がある。
   
   

■ 前々回以上の議席獲得をめざす

編集部 社民党は今年の夏以降、2015統一自治体選挙勝利に向けた体制確立とともに、その先にはかならず解散・総選挙が実施されるとの想定で、その準備を全党に促してきたと伺っています。その想定を超えて衆院選が実施されることになりましたが、実際に準備はどこまで進んでいるのでしょうか。
   
又市 急速に解散・総選挙の動きが11月10日から出てきましたので、13日の常任幹事会で、第47回総選挙闘争本部を設置しました。
   
以下の目標に向かって11ブロック、各都道府県連合が全力をあげます。
   
まず状況認識ですが、2年前の総選挙の時は民主党が政権を持っていました。その民主党が、野党である自民・公明両党と談合政治をやって、消費増税などを決定していきました。このため、その他の野党は野党連合をめざして戦うという方法をとらざるをえなかった。
   
その中心が、社民党と国民の生活が第一でした。6党、7党が連合して、候補者を一本化して戦おうということでした。大きな柱は脱原発基本法、それから消費増税撤回法案、この2つを中心に選挙協力をしようということでした。一方で、第三極として維新、みんなを異常にマスコミが持ち上げました。そして野党連合への結集は、結局、民主党離党グループで未来の党へまとまることになり、野党連合が頓挫することになりました。未来の党の政策は先ほどの脱原発基本法、消費増税撤回など我が党とほとんどダブってしまった。この影響をもろに受け、社民党支持票が大幅に流れ、前回惨敗をしました。
   
今回、そういう状況はありません。第三極も今はぐちゃぐちゃの状況です。みんなの党は解党をして一部は民主党に合流します。維新の党は大阪と国会議員団との対立状況があり、これを収拾するためには橋下が衆議院選挙に立候補する以外にない。ともあれ第三極がもてはやされる状況ではなくなった。未来の党はなくなった。社民党にマイナス要因はありません。
   
我が党の基本的政策、つまり憲法を活かす、脱原発、格差是正、反TPPは、まさに国民世論を代表しているわけですから、がんばれば前進する条件はあると考えています。要は主体的に候補者を多く擁立して、戦うことだという認識です。
   
獲得目標ですが、前々回の実績の7議席以上、比例区の得票300万票以上をめざそう、と11ブロックのみなさんと確認しました。
   
このために何をするか。まず現有議席の沖縄2区と大分3区、ただし大分は比例復活ですが、ここでの小選挙区勝利をなんとしても勝ち取ろう。ここで勝利すれば、比例がついてきますから、2ないし3議席獲得できる。2つ目の課題は、比例区議席の奪還ですが、前々回は5つ議席を持っていたわけですから、これをめざして全ブロックで候補者を立てようと確認しました。ただし、小選挙区と比例区と重複で立候補するか、あるいは比例区単独で立候補するかについては、全国連合とブロックで協議をして決めることにしました。これは現実に力量の差がありますから、選択と集中をやります。比例区で当選する条件のあるブロックは当然、1人でも多くの小選挙区との重複候補者を立てようということになります。ここは戦術的に各ブロックと状況判断をしていきたいと考えています。
   
候補者擁立の要件ですが、1つは前回立候補者、2つは原発立地県、3つは青年・女性の候補者、4つは統一自治体選挙予定候補者あるいは次回は引退を予定している議員、これらを含めて検討しようと、お話ししています。
   
すでに、香川県連合の高田良徳幹事長、現在県議ですが、辞任して総選挙に出ますと表明しました。統一自治体選挙立候補予定者も何人か名前があがっています。
   
いずれにせよ候補者擁立作業は26日までに各都道府県連合で決定して、報告をいただいて、27日に公認発表をしたいと考えています。現実的にそのくらいで決めないと、事前の届出など準備も間に合いません。
   
編集部 自民党政治を終わらせるために、他の野党との選挙協力など、野党が一致して自民党に対抗していく選挙戦術が欠かせないと思いますが、その考え方、方針、現状についてお聞かせください。
   
又市 率直に申し上げて民主党等とも政策はかなり合わない部分があるので、棲み分けを基本と考えています。すでに民主党とは、12小選挙区で棲み分けを合意しました。たとえば沖縄2区の照屋、大分2区の吉川などの選挙区です。少なくともこの12選挙区については、社民党が立てるのならば民主党は立てませんということです。もう少し広げたいと思います。
   
生活の党とも前回5選挙区ぐらい棲み分けをやっているのですが、ここは未来の党に行ってしまいましたが、今回は12小選挙区くらいは棲み分けをします。
   
もちろん、前提は社民党がそこに候補者を立てるということです。候補者がいなければ棲み分けも何もありません。
   
民主党は160前後の擁立ではないか。そうすると前回よりも棲み分けの余地が広がってくると思っています。
   
付け加えれば、総選挙もだが、統一自治体選挙の候補者もまだ決まっていないところがある。統一自治体選挙の候補者も11月中に決めて、総選挙闘争の先頭に立ってもらわなければなりません。
   
   

■ 国民生活擁護を中心に4つの政策を訴える

編集部 社民党公認候補、そして全党が国民に訴える重点政策について、とくに国民が切実に求めている生活実感からの具体的政策についてお聞かせください。あわせて、統一自治体選挙にむけた政策との一体化、他の野党との政策協定についてもお聞かせください。
   
又市 主要な政策は大きく4本柱で考えています。
   
1つは、アベノミクスによる国民生活の破壊を許さず、広がった格差を是正する(消費税は5%に戻す。財源確保は法人課税強化や高所得層の累進課税強化、租税特別措置法等の抜本的見直し等。労働者派遣法改悪阻止、積極的賃上げや非正規労働の正規化と均等待遇・最低賃金引き上げなどによる消費と内需の拡大、社会保障制度の拡充など)。
   
2つは、「戦争のできる国」に向かう集団的自衛権の行使は認めず、平和憲法を守る。
   
3つは、原発再稼働は認めず、原発に依存しない社会・再生可能エネルギーの促進を図る。
   
4つは、農林水産業を衰退させるTPPへの参加に反対する。
   
とくに、1つめについて、安倍政権は「消費増税の先送り実施」ですが、これは社民党として認められない。法人税減税には反対ですし、租税特別措置法によって5年間もトヨタが1円も税金を払っていなかったなどという馬鹿な話はない。所得税の最高税率も下げられてきたが、応能負担の原則で引き上げるべきだ。これが財源対策といわなければならない。これがアベノミクスによる国民生活の破壊を許さず、広がった格差を是正するという中身です。
   
4つめのTPPについては、やはり北海道、東北、九州では深刻な問題になっている。
   
編集部 政策の2点目の平和の問題は、11月16日の沖縄県知事選での翁長さんの勝利とあわせて主張すれば、わかりやすいですね。自民党の主張は、辺野古移設反対なら普天間は恒久化してしまうぞという脅しでしたが。
   
国民生活擁護について、社民党らしく増税ではなく、減税をやれとの主張ですね。当然、その時は、自民党は、税収のことを言ってくるでしょう。それならば社会保障をもっと下げると。そのためにも財源問題は重要です。対案を示さないと国民は迷ってしまうでしょう。
   
又市 消費税については、5%に戻せということを主張します。単に再増税先送りではなくて。「消費増税の先送り」は社民党として認められない、というのはそういう意味です。8%に引き上げたから景気が悪くなったのであって、景気を回復するならば5%に戻せ、という主張です。
   
その財源確保のために、法人税の減税なんてとんでもないということだし、租税特別措置法は見直せという要求をかかげています。
   
編集部 経済が悪くなっていく中で、2年前の総選挙でみられたように民主党に任せたら経済が悪くなったという宣伝はかなり効いたように思います。国民の意識が今以上に保守的になっていく恐れはないでしょうか。
   
又市 民主党は最後まで消費税を上げることにこだわった。すでに安倍は「野田は国民に信を問うことなく、消費税を上げることを決めた」と。自民党も一緒になって消費税の引き上げを決めておいて何だ、と思います。
   
大企業は円安で最高益を更新している。一方で税金を下げろといっている。これは理不尽だ、ということをもっと言っていくべきだと思っています。
   
野党共闘との関連で言えば、民主党全体とはこうした部分で完全に一致できなくても、たとえば立憲フォーラムに集まっている議員、候補者はいる。ここは我々としても応援できるのではないか。
   
立憲フォーラムに集まっている議員のみなさんも消費増税反対だという。じゃあなんで民主党内でももっと言えないのか。法律には景気条項もある、これだけ景気がおかしくなってきている。一方で社会保障は改悪続きだ。でも党内では言ってもどうにもならないと思っている。今になって民主党は消費再増税の凍結を言い出したようですが。
   
編集部 安倍政権になっても雇用の劣化は改善されず今や働く者の37%を非正規労働者が占めています。非正規労働者の均等待遇の実現が重要な課題だと思います。これを前面に出して欲しいと思います。
   
あわせて最低賃金です。1000円だって年間で200万円いかないのですから、インパクトをもった政策が必要なのではないでしょうか。
   
又市 世界でも最低賃金が1000円以上の国が20カ国くらいになってきている。あわせて春闘についても具体的な額をかかげて労働者を応援していくことが必要だと考えています。
   
安倍は「年功序列賃金の見直し」を言っていますが、あれは退職金も下げます、年金も下げますと言うことです。一方で日本の教育費は高いまま、教育予算は増額されません。
   
いずれにせよ詳細な政策集も必要かもしれないが、簡潔で分かり易い社民党の基本政策が大切だと思っています。
   
編集部 最後に総選挙で社民党の議席増を勝ち取るために、今次衆議院選挙闘争の意義など、幹事長から読者へのメッセージをお願いいたします。
   
又市 社民党にとって正念場の総選挙です。新自由主義・新保守主義の対抗軸は社会民主主義であり、その党を存続させ前進につなげるか否かの闘いです。もしこの総選挙で与党に安定多数を許すならば、安倍政権とその政策は信任されたと開き直って、一層格差の拡大、法人税減税、集団的自衛権行使に関する関連法整備、特定秘密保護法による知る権利・報道の自由の抑圧、原発再稼働、沖縄の新基地建設そして地方を衰退させるTPPを強行してくることは火を見るよりも明らかです。ですから断じて自民党を勝たせてはならない。
   
我が党の政策をしっかり国民に訴え、広げて、我が党への支持を広げてもらいたいと考えています。前回と比べれば我が党にはマイナス要素はひとつもありません。前回以上に候補者を擁立して、各級議員を先頭に自信と確信をもって行動してもらいたい。前回、未来の党などに流れた票を取り戻し、議席と得票を伸ばして反動安倍政権の野望を阻止するために全力をあげよう。
   
(2014年11月20日)
   
   

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