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●2013年9月号
■ 又市征治社民党党首代行・幹事長に聞く    
   

■ 社民党再建に向けて三位一体の徹底した総括討論を

今度の参院選挙に当たっては、党にも相当危機感があり、そうした全国の党員、そして社民党支持者、ご支援いただいた各労働組合などのご努力により、比例代表で125万票あまりを獲得して1議席を確保し、政党要件(5人以上の国会議員)を維持することができました。これが4人だったら解党的状況に追い込まれることになったのですが、その点では、これまで党を応援いただいた皆様のご支援ご協力に心から感謝を申し上げたいと思います。
   
しかし、目標は3議席・300万票だったわけですし、改選2議席も確保できなかったことは痛恨の極みです。票数も投票率の低下で下がり、得票率は衆議院選挙と同じ2.36%に終わってしまいました。
   
その結果、福島党首が常任幹事会全体としての責任をとる意味で辞任しました。そして8月1日の常任幹事会で、私が幹事長のまま党首業務を代行することを決めました。私自身は候補者でもありましたが党の幹事長ですからその責任は大変重いと認識をいたしております。
   
   

■ 統一自治体選は現有プラス1議席めざして

今度の選挙の政策スローガンは、「強い国より、やさしい社会」を掲げたのですが、言葉の意味が通じたかどうか、「国」と「社会」を対比させるのはどうかと言うこともありましたが、簡単に言えば、戦争のできる強い国をめざすのではなく、国民の暮らしと雇用を大切にする平和でやさしい社会をという、私たちの主張なり、それにともなう諸政策は国民の共感を得るものだったと思うのです。
   
しかし、その主張・政策の正しさというものが、党の組織力量、あるいは宣伝力のなさ、候補者不足などにより、党の支持拡大に結びつけられなかった。主体的力量の弱さです。政策が正しくてもこれが広がりを持たなかったということに尽きると思います。共産党と比べて同じような主張をしているのに、なんで社民党は伸びなかったのかと言えば、率直なところそういうことではないかと思います。
   
国政選挙は、向こう3年間はまずないと考えられます。衆院で自公の与党が2/3以上とっているわけで、彼らには解散をあえてする必要はないわけですし、次の参院選挙まではない。その参院選挙でどうやって改憲発議の2/3以上をとるかというのが相手の構えでしょう。
   
その間に、統一自治体選挙があるわけで、この間に参院選挙の総括をきちっとやると同時に、統一自治体選挙に勝ち抜く取り組みを各県連合で進めていかねばなりません。「現有議席プラス1」の実践です。あわせて2年前あれだけ侃々諤々やったんですが、うちの党の弱さは、方針を決めるまでは相当議論するが、実践が弱い。『党再建計画』は47通りあっていいと申し上げてきたのですが、この再建計画を、今回の衆・参両院の選挙を闘って得た教訓や反省点を生かして各県連合で見直しをしていただきたい。得票数・率を伸ばした地域の教訓をそれに生かしてほしい。
   
このように、参院選総括、統一自治体選挙の取り組み、党再建計画の見直しを三位一体でしっかりやって、組織力量を高める以外に党再建の道はないと思います。選挙敗北に意気消沈しているいとまはありません。
   
   

■ 自民の政策すべてに国民は賛成したわけではない

参院選挙の総括については、常任幹事会で「総括の骨子」を議論しまして、それを地方の議論に供し、8月末までに意見集約をし、9月5日の常任幹事会で総括案をまとめたい。そして現時点では、9月の下旬に党大会につぐ機関会議である全国代表者会議を予定し、ここまでの間、全党で総括運動をしっかりやろう、という流れです。併せて新しい党首の選出をどうするか、直ちに党首選挙を行うか、緊急事態だから全国代表者会議で選出して党大会前に通例の党首選挙を行うか、これについては地方の意見も聞いて8月中には決めることにしています。
   
参院選後の国会の政治勢力、政治展望の問題ですが、衆院では自民・公明の与党が67.7%、参議院では55.8%を占めることになりました。自民、みんな、維新の会、それに新党改革が改憲勢力と見られていますが、合計すると衆院では改憲勢力は76%、参院では60%という数に上ります。もちろん、これは公然と改憲を主張している党です。民主党の中にも改憲派はいるし、無所属の中にもいるし、さらには公明党をどう見るかという問題もあります。はっきりしていることは、参院で改憲発議に必要な2/3、162議席には、今のところ17議席不足をしています。これの意味は大きいと思います。少なくとも参院で改憲発議はできないのですから過小評価すべきでないと思います。17議席足りないからこそ、改憲に執念を燃やす安倍内閣が、「集団的自衛権の行使」を可能とするように内閣の憲法解釈を変えるといい、「専守防衛」を超えて自衛隊に海兵隊機能を付与し攻撃部隊へ変えていく、それから「武器輸出三原則」の変更、こういったものを今年末の新防衛大綱の中に盛り込もうとしてくる可能性が高い。つまり、こうしたなし崩し改憲、解釈改憲が進められてくるでしょう。
   
同時に、選挙で国民の信任を得たということで、経済界の意に沿って「小泉構造改革」の焼き直しであるアベノミクスを強引に進めてくる。秋には成長戦略の第2弾を出さなきゃいけないと言っている。消費税増税問題で、日本経済の成長率を見ながらその引き上げ時期を10月の臨時国会前には判断するとしていますが、財政再建問題もあるので早くやりたいというのが財務省の意向でしょう。さらには原発推進への転換を図ってきているし、TPP参加も強引に推し進めようとしています。
   
そして国会運営も横暴を極めてくると思います。昨日、一昨日、参議院の副議長選出をめぐって、民主党が輿石議員会長を挙げたら、自民党が「輿石という人物を認めがたい」などと言い出した。そんなことは常識で考えられない。議長は与党第一党から、副議長は野党第二党から出すという慣行から言えば、人物に難癖をつけるなどと言うことは、思い上がりも甚だしい。こういったことも含めて衆・参両院の国会運営は多数横暴、むしろ暴走を始めるだろうことは想像に難くありません。
   
これに対して、なんとなく野党の中に無力感があるのですが、多くの国民は自民党の政策全体を支持したわけではありません。各種の世論調査を見ても、「景気回復による雇用と暮らしの改善」、「社会保障制度の確立」、「消費増税反対」、あるいはまた「脱原発・再生可能エネルギーへの転換」、「TPP参加への疑問」、「憲法九条改悪反対」、これが国民多数の声です。つまり、自民党の個別政策には反対という人が多いわけで、政府や国会多数派と、国民との間の「ねじれ」、つまり矛盾があるわけです。彼らは衆・参の「ねじれ」を問題にしてきたけれども、政府や与党と国民との「ねじれ」の方が問題は大きい。この解消に努めることが本来の国会議員の使命でもあります。このことに我々の反撃の条件があり、むしろ大衆運動を発展させる条件が拡大していると言えます。容易ではありませんけれども、そこにわれわれの運動の展望があると思います。
   
多くの国民が実現を求める諸課題をしっかりと掲げて、平和運動センターはじめ労働運動やさまざまな市民運動に働きかけを強めながら、多角的重層的な運動を組織していく努力こそが、いま求められていると言えます。
 
安倍内閣の支持率は高いと言っているけれども、選挙が終わって少し落ちてきています。安倍内閣の政治そのものが、我々が選挙中に訴えた「1%の大企業、金持ち優遇の政治であって、99%の額に汗して働く人々、農民や中小企業を切り捨てる政治なんだ」ということが、前述した大衆運動の前進と相まって、これから国民に実感されていくだろうし、「憲法を改悪して時代錯誤の戦争ができる国づくりに突き進む安倍内閣の政治」への不満や怒りを組織していけるし、していかなければならないと思います。
   
   

■ 労働運動のあり方が問われている

そこで労働運動のことに触れたいと思いますが、今、あちこちあいさつに回ってみて、中央産別の幹部の中でも、連合本部にたいする不満が大きくなっていると実感します。そして、「民主党には裏切られた。もう期待できない」という思いもかなり聞きます。
   
日常の労働運動がどうなっているか、ということが問われているわけです。率直に言えば、勤労者と労働運動全体の動きがねじれてきていると感じます。
   
「国民の多くは消費増税に反対しているが連合はこれを事実上容認してきた」、「農民のみなさんは自民党に利用され裏切られたが、連合はTPPも事実上容認している。兼業農家の組合員は反連合・反民主党だと言う」「最近、連合は脱原発をトーンダウンさせ、逆に容認の方向に流れている」などなど、かなり厳しい批判を聞きました。
   
そういう意味で、労働運動のありようも問われているということを、この選挙結果、とりわけ産別代表の得票数を通じて考えなければならないのではないかと思います。
   
   

■ 社民党は野党共闘の要に

そこで当面の国会対策ですけれども、参院内でのわが党の発言力を確保するために政策的に近い会派や議員との統一会派を模索しました。今国会では実りませんでしたが、生活の党、それから無所属で応援した糸数、山本両氏には働きかけました。秋の臨時国会に向けて話し合おうということにしています。予算委員会の委員は、民主党から譲り受けて参院では確保できました。吉田参議院幹事長の努力で、第一種では総務委員会、厚生労働委員会、国土交通委員会を、第二種では予算委員会と決算委員会を、特別委員会ではODAを、それ以外に憲法審査会もとることができました。折衝したりお願いしたりで、3人の力以上にはとれたことはとれたのですが、こんな不安定な状況ですから、できるだけ政策的に近い会派・議員との統一会派を模索していくことが求められます。
   
と同時に、いま政治の世界では維新の会とみんなの党と民主党の一部で政界再編の話が出ており、メディアもそれを煽っていますが、私はこれはうまくいかないだろうと思います。と言うのは、民主党は「政権交代」の一点でさまざまな主張や考え方の議員が結集して大きくなり、その結果、政権は取ったものの自分たちで決めた政権公約は守れない、国民への約束をたがえる、そして何も決められない、決めれば離党者が出るという事態に陥ったわけですね。今の動きは政界再編と称してその二の舞を演じようとしているように見えます。下手をすれば改憲派第二党になる。
   
いま一番大事なことは、先に申し上げたような国民が求めている政策課題の実現を目指して可能なかぎり野党共闘を積み上げていくことです。その接着剤というか結集軸が社民党の主要な役割だと考えています。今日の国会の中では、共産党が呼びかけてもどの党も集まってこないし、また共産党もそんなことはやらない。じゃあ生活の党が呼びかけたら集まるかといえば、これも集まらない。民主党は野党第一党だから呼びかければそれなりに集まるけれども本当の結集軸になりきれない。例えば参院選前の国会でも、社民党が参院選の争点を国会で論議し国民に問いかけることは与野党共通の使命だから衆・参両院で予算委員会の開催を求めようと言って野党がまとまった。しかし参院の予算委員会開催が決まっても安倍総理以下閣僚が出席しないという憲法六三条違反が起こって、社民党、生活の党とみどりの風が共同で首相問責決議を出してはじめて野党八党がまとまって可決したように、わが社民党が結集軸の役割を果たさなければなりません。
   
課題の一致に基づく野党共闘、TPPの問題で言えば、民主党の中もそうですし、自民党の一部まで巻き込める要素はある。憲法問題で言えば、九六条先行改正反対では民主党の大半と生活の党、糸数、山本両氏、そして共産党も結集するでしょう。消費税増税反対でも同じです。多角的重層的に課題別の共闘を作り上げていくことが必要です。もとよりこれは、さまざまな院外における大衆運動がなければなかなかうまくいかない。院外における大衆運動を起こしていくことが重要です。
   
これは労働運動に負うところが非常に大きいのですけれども、党は方針をしっかり持って働きかけていくことが大事です。そこに依拠して院内における野党共闘で政府を追い詰めていくことをやらなければならない。
   
「小さいから何もできない」ではなくて、麻生副総理が憲法改正で「ナチスの手法を学んだらどうか」と変なことを言ったことに社民党が直ちに抗議声明を出したら、とたんに共産党の志位氏がそれに呼応し、次に民主党も声を上げ、そして野党五党の共同抗議文に発展し、麻生副総理は失言取り消しの記者会見をやらざるを得なくなりました。両院で多数を占めて暴走する安倍政権を、野党らしく厳しく監視し、常に多数形成を意識して闘っていくことが大事だと思っています。
   
私は、今日、党首代行に選ばれました。もう敗北に意気消沈しているいとまはありません。参院選挙総括をしっかりやりましょう。そして各県における党再建の方針を見直して実現可能なものを作っていきましょう。さらには統一自治体選挙で「現有議席プラス1」をなんとしても実現する準備を強め、そういう闘いと併行して改憲阻止をはじめとした大衆闘争を盛り上げていきましょう。そのためにも党の憲法パンフを広範な学習会。講演会に活用していただきたい。「選挙は日常活動の集約」を肝に銘じ、がんばりましょう。

(本稿は、8月1日にインタビューでお伺いした話を編集部がまとめたものです)

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